難病と闘った詩人・鈴木信夫の詩に10人の作曲家が曲をつけた珠玉の１６曲。
また10人の作曲家の様々な個性の魅力が光る１６曲でもあり、日本歌曲の世界にとっても貴重な存在となるでしょう。そして歌う産婦人科医・西田玲子の温かい声が、命の輝きを注ぎます。
鈴木信夫・西田玲子・１０人の作曲家のめぐり逢いによって生まれたまさに“奇跡”の１６曲です。
全ての人に届けたい心のアルバム。

鈴木信夫氏は７歳の時に「筋ジストロフィー」と診断され、20歳くらいまでの命と宣告され、残された十数年をいかに生きてゆくか重い課題を突き付けられた。中学に進むころから少しずつ体が動かなくなってきたが、級友や先生たちの暖かい励ましや協力に支えられ、苦しい中にも楽しい学校生活を過ごした。その後も進行する病と闘いながら、高校、大学と進学し、プログラマーとして社会人生活を送ることになった。
26歳頃からは人工呼吸器が手放せなくなったが、母の勧めで詩によって自分を表現する喜びを知る。極限状態まで悩み苦しみ抜いた信夫氏は、それを経験した人にしか書けない世界をわずかに動く指先でPCに入力しながら言葉を紡いでいった。40歳で生涯を閉じるまで、約2000篇の詩を書き、4冊の詩集と絵手紙の書簡集1冊を出版するに至る。その詩は人の心を打ち、いつしか詩に癒やされる人が増えていく。講演会の依頼が相次ぎ、詩集が神奈川県課題図書に採用され、新聞各紙で特集記事が組まれ、テレビでも取り上げられ、アメリカの大学の日本語教材に使用されるなど、多くの人の目に触れるようになっていく。いじめで悩んでいた中学生が、信夫さんからの手紙や詩により自殺を思い止まったことや、乳がんの知人を慰めるために書かれた詩などのエピソードを聞くにつけ、琴線に触れるこれらの詩に曲をつけることで、より多くの人々の心に響くのではないかと考え、新進気鋭の作曲家に依頼することにした。一人一篇以上の好きな詩を選んで、曲をつけてもらった。2015年㋄、川崎市の麻生市民館で、5人の作曲家による7曲を発表、その演奏会の模様は翌日のNHKの朝のニュース番組「おはよう日本」で信夫さんの生前の様子と共に全国放映された。その後も曲を増やし10人の作曲家による計16曲の個性豊かな歌曲集が出来上がった。
難病の床にありながら、多くの人を救うために紡がれた詩。それらの詩には「死」の怖れを超越した優しさ、美しさ、強さが感じられる。このCDに収録された歌曲たちが多くの人に歌われ、また聴かれることを祈念します。

価格：￥2,700（税込）

レーベル： Beltaレコード

CD：YZBL-2506

発売元：及川音楽事務所 tel 03-3981-6052

販売元：クラウン徳間ミュージック販売株式会社